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HOME>創作「ウチの仔」

「ウチの仔」 序章 第3話 幕間 です。

ウチの仔アップです。
しかし、進まない「ウチの仔」…まだ主役登場せず…
というか、登場はもう少し先になります。

前回から、追記に記載することにしました。
見難いと言われる方がいましたら仰ってくださいね。
対応できる範囲で対応します。

でわ、「今日」のウチの仔アップはたぶんココまで。



それでは、次回のウチの仔も宜しくお願いします。






――― 序章 第3話 幕間 ――― 「祖母の準備」 ―――



遅い夕飯を終えた後、私は買い揃えた品物を確認している。
ウチの玄関は主に二つ、そのうちの一つの中に小屋を置き、
番犬として活躍して貰おうというのが、私の考えだ。

ウチの玄関は、仏間と来客用の居間に繋がる大きな玄関と、
家族用の居間に繋がる小さな玄関がある。
その他にも、裏口に勝手口とあり、泥棒ならありがとうとお礼を言われるぐらい、
ウチに入りやすいだろうと思う。
もちろん、防犯なんて意識は欠片も無く、家族そろって外出するときも、
玄関に鍵をしたことも無い。

田舎だからという考えさえ、市内や東京等に出て見なければ分らないことだろう。
周囲の家に、出かける際に一言お願いしますと言えば、安心できる環境なのだから…

黙々と小屋を設置し、ココは水飲み場、ココは食事場、ココは遊び場っと決めていく。
子犬が必ずしも私の言うことを聞くとは限らない…等とは考えもつかない。
今は、ただ、楽しみで嬉しくて仕方が無かった。

準備を終え、私は一人ご満悦だ。
いるはずも無い子犬を幻視して、思わず笑みを浮かべる。
一人で笑っている気味の悪い私の元に祖母がゆっくりとやってきた。

「みっちゃん?ちょっといいかい?」
「ん?何?お婆様」
「わたしの部屋に来てくれねけ」
「ああ、いいけど…何さ?」

祖母の後に続いて行く。
ゆっくりと進む祖母を見つめながら、何かやったかなぁっと考える。
特に思い当たることも無い、怒られるようなことは無い筈だ。
祖母は意外に怒る人だ、特に礼儀や習慣、言葉遣い、など等いろいろある。
気に入らないから怒るとは違い、「こうしたほうが好ましい」というスタンスで怒る。
家族、他人、人間同士、家同士などの付き合い方を私は小さな頃から、
祖父と祖母を見て学んできた。
時々、自分がえらく時代錯誤な存在に感じて、戸惑うこともある。

「入りなっせ」

祖母に促され部屋へと入る。
祖母の部屋は、ウチである意味一番お金が掛かっている。
なぜなら、一日中、テレビ、ストーブ、コタツ、ホットカーペットが点いているからだ。
祖母が寝るまで消えることは無く、眠った後も、電気あんかが活躍する。
…つまり、大変暑い。

「…お婆様、暑い…」
「そうかい?わたしにゃちょうどいいよ」
「まあ、いいよ、それで何?」
「その前に、みかん食べなっせな」
「いらない、んで、何?」
「そうかい?じゃ、お菓子食べなっせな」
「だから、いらない、話がないなら俺、部屋に戻るよ?」
「待ちなっせな、みっちゃんは小さい頃から落ち着かん子らったね~」
「……部屋に帰る」

話が一向に進まず、飽きが来る。
祖母はおそらく私と話せて楽しいのだろうが、私にもしたい事もあれば、
見たいテレビもある、今日は確か毎週見ているバラエティがあったはずだ。

「みっちゃん、犬、こうんだってな」
「?そうだって、お婆様知ってることでしょ?ボケた?」
「何馬鹿言うてんろこの子は、そうじゃのて、犬について教えておこうと思ってな」
「何を?」

結局、近くにあるみかんを頬張りつつ、コタツに足を入れ祖母の話を聞く。
生暖かいみかんのため、あまり美味くは無い。

「あのな、昔な、わたしが女学校時代に犬こうてたんよ」
「ふぅん」
「その犬はの、賢い犬でのよーかわいがっとったよ」
「んで?」
「ある日な、病気で死んでしもうた」
「そりゃまぁ…」
「当時のわたしは、死んだことしらんでの」
「なんで?」
「親がの、みっちゃんにとっての曾祖母がの、死んだこと隠したんじゃ」
「どして?」
「わたしが悲しむと思うたんじゃろね、そして、わたしは実際悲しかったしの」
「まぁな、悲しいでしょ…そりゃ、いろいろと」
「みっちゃん、生き物はの、死ぬんじゃよ」
「ん?当たり前でしょ」
「みっちゃんがこう犬も死ぬんじゃよ」
「だから、分ってるって」
「わたしゃ、生き物は死ぬからこうのは嫌じゃ」
「はぁ…今更そんなこと言うなよ」
「みっちゃんは生き物が死ぬ、大切な何かを亡くしたことがないすけの」
「お爺様、死んだじゃん」
「ありゃ、みっちゃんが小さな頃らけな」
「…つまり、生き物は死ぬから飼うのを止めろって言いたいの?」

祖母の言いたいことは解るつもりだった。
生き物は死ぬ、そのことを今から飼う前から覚悟しておけと。
言われたことは解る、ただ、その時がこなければそれは解らない。
私は私が理解しているつもりでしかないことも理解してはいなかった。

「まぁ、お婆様の言うことは分ったよ」
「そうかい?なら話は終わりだよ」
「その時がこなければ何とも言えないけど、覚えとくよ…たぶん」
「そうかい?ええ仔が来るとええねぇ」
「ウチに来るんだから、いい仔に決まってるよ」
「そうらねぇ」

祖母の部屋を出て、居間に向かう。
居間に入りテレビをつける。
何時ものバラエティ番組を見る。
もう、祖母の言葉は頭にない。
祖母の言葉を思い出すのは、まさにその時になってからだった。



あの仔がウチに来る、一週間程前のことである。






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