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スローモーション

それは夏のある日。
緩やかな右カーブ。
まだ、私が高校生だった頃の事。

友人の右肩に掴まり、笑い合いながら風を受けている。
それは強い風だった、とても強い風。

原動付き自転車、通称は原付、ところにより原チャ。
私の高校時代、それは無茶の過ぎる年齢。
ある程度の世間一般の常識はあったように思う。
しかし、幼馴染であり、もはや兄弟のような友人。
そいつと居ると、ただ楽しかった。

彼と私の家は、距離にして200m前後。
物心つく前からの幼馴染。
何を考え、思っているかなど、傍に居なくても解る。

そんな事は、全く持ってあり得ない。

ただ、何を考えているか分らなくても、どれほど会う時間と距離が離れても、
死ぬまでの付き合いになる事だけは、お互いによく判っていた。

ある時、互いに違う高校に行き、年に数回程度会うだけになっていた頃。
あいつが原付に乗って家に来た。

前電話もなしに玄関の戸が開けられ、少し掠れた、少し弱い声で私の名を呼ぶ。
二階の自室で、のんびりと当時嵌っていたゲームである「Wizardry」のプレイ中に、
祖母から声が掛かった。

「〇×ちゃん、△□君が来たれ」

「……あ~!わーかった~」

当時から少しだけ耳の遠くなった祖母に、開けっ放しの窓から、
玄関のあいつにも聞こえる程の大きな声で答える。

「上にあげてくれぇ」

回答と同時に、一階にて何やら声が聞こえる。

「ぁ――お邪魔します~」

多分、そう言っていたのだろう。
部屋の脇の階段を、自分の家のような足取りで登ってくる音。
久しぶりだなっと思いながら、目と手は休む事無く画面に集中していた。


お互いに久しぶりなどとは言わない。
会った早々、第一声は「相変わらず、きったねぇ部屋」だ。
しばらくの間、私の自室でなんだかんだと近況を言い合い。
時にゲームや中学時代の友人の話をしていた。

不意にあいつが言う。

「おい、俺、原チャ買ったれや」

「はぁ?原チャ?何時ぅ?」

「今日」

「は?」

「どっか、行これや?」

「何処ぉ?」

「何処でもいて、とにかく行これ」

っと、そんな訳で出かける事になる。





家の前で買った原付を自慢される。
なんだか不愉快。

乗せてくれと頼み、家の前の道路で試運転の初乗り。
当然のごとく、お約束は忘れずに、ウィリー!!

「――っうわ!?わっ」

「バカ!?あぶねっ――」

そんな感じ。

ともあれ、隣町までビデオを返しに行くという。
なんともどうにも適当な目的を果たしに、私達は「はじめての原付」っを楽しむ事になった。


行きの道中、片や原付、片や自転車。
進む形は決まっていたかのように、肩に掴まって進んでいく。
なんだか言い方があったような記憶があるけど、どうにも思い出せない。
まあ、どこをどうとっても違反運転なので、忘れている事自体がきっと正しい。

主要道路である、国道は通れるはずも無く、一本、脇ある農道を走る。
どのぐらいの速度だったかなんて、覚えちゃいない。
ただ、楽しかった。


無事にビデオ屋に着き、返して借りる。
やる事の無い、当時の私は適当に見て回って時間を過ごす。

「ん~借りたか?」

「おう、けーろて」

「そうだなぁ、かえっか?」











帰りの緩い右カーブ。
道脇には砂が溜まっていた。
肩を掴んだ状態で叫ぶ。

――っ馬っ鹿ぁあやーろう!!

実際は声なんて出てなかった。
目撃した人に寄れば、空中で自転車ごとニ回転したらしい。
あいつは驚きと、どうしていいのか分らない動揺、顔を蒼白にして、傍に居た。



事故った瞬間。
最初は速かった。
とにかく速かった。
地面が消えて、空が見えた。
そこまでは、とにかく一瞬だったように覚えている。

次に、次にはゆっくりだった。
とにかくゆっくり、何もかもが緩やかに過ぎて行った。
自分の体の上を自転車が回っている事。
その先に、その視界の先には蒼い空とやたらに大きな雲があった事。

そして思う。
ああ、このままじゃ「死ぬ」……って。
どうしようと思った、どうにかしなくちゃって思った。
色んな事を考えて、色んな人を思い出して、気がついたら地面が近づいて来たんだ。

そして、また速くなったんだ。
「あっ」なんて思う暇も無く地面がすぐ傍に来てた。
無意識のようでいて意識しながら、両手を頭の上に持って行ったんだ。


それが、俺の命を救った。






どのぐらいだろう?
結構な間、放心していたらしい。
あいつは半泣きで、謝っていたっけ。

見ていた人の家の水道を借りて、上手く曲がらない肘を洗った。
血と泥と曲がらない痛み。
あんまりな体験で、気分が悪くて何度か吐いた。
恐怖と……ショックだったんだと思う。

あいつをブン殴る事も出来ないほどに……



事故後、自転車は擦り傷と多少フレームが曲がっただけだった。
だから、そのまま乗って帰った。
あいつが自転車、俺が原チャ。
無免許だったけど、肘が痛く体が震えて、上手く自転車に乗れなかった。

帰りの道で、あいつを何回か罵った。
強く強く罵った。
あいつは泣いていた。
でも、俺も泣いていた。

いい年だと思っていた、高校時代。
小学校の頃のように、喧嘩して泣いて帰った。



肘の傷跡は今もある。
結局、医者には行かずそのまま放置した。
それが原因だとはっきり分ってる。

当時、私は親に言うに言えず、「自転車でコンクリの塀に擦った」と言って誤魔化した。
両親に怒られること、近所に知られる事、自分が恥かしかったこと。
色々、理由のような言い訳のようなものがあった所為。

あいつとは、今も当たり前のように付き合っている。
当然、当然。
だって、そういう仲だから。



ただ、あの時、見て感じたモノ。

あの全てが緩くなる感覚。

今でも思い出すと震えが来る。





突然、書きたくなった00:30分ぐらいに……
突然、思い出した00:30分ぐらいに……

理由はあんまり無い。
時間もあんまり無い。

でも、ミョウガの写真アップまでに書き終える予定。

夏ですね。

好きですよ、夏。
………暑くなければ。

大体、後三回分ぐらいかな?


と、思っていたました。
只今、深夜の02:15分。
書き終わってしまったので、アップします。

明日ですか?今日ですか?
大丈夫、眠いのは何時もの事です。

ビバ!駄目人間!!

そんなわけで、おやすみなさい。

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