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HOME>創作「ウチの仔」

「ウチの仔」 序章 5話 アップです。

さて、「ウチの仔」です。
が、まずは昨日、もし更新を待っていた方がいらっしゃたなら、
申し訳ありませんでした。

なんだか、こう、うまく書けなくて、「おし、飽きた」っと休憩してました。
まあ、書き直した所で、「すげぇ」「おもしれぇ」っと感嘆されるブツではないですけどね。

それはともかく、とにかくアップです。
もうすぐ序章も終わり、一旦休憩する予定です。
ライフワークのように書くか、中篇で終わるかは決めかねてます。
気が向くままに進めたいと思いますので、どうかご理解を…


それでは、次回のウチの仔も宜しくお願いします。




――― 序章 第5話 ――― 「椿」 ―――


今、目の前には自身より大きな存在が「私」を狙っている。
刺し貫かれるような視線、身体ごと潰されそうな圧迫感。
怖い、だが、恐れは自身を殺す。
「私」は、意思を強く持ち直すと同時に、「奴」に向かい駆け出した。

鈍い音が響く、頭が揺れ目が回る。
額と額をぶつけ合った瞬間、身体の小さな「私」は大きく弾け飛ぶ。
四肢に力を入れ、それ以上の後退を許さない。
「奴」への負けは認めても、自分への負けは認められない。
さらに強く、より強く意思を込め、奴を睨む。

「私」の意思の強さを感じたのか?…いや…「奴」にとっては遊びか?
驚きと合わせ冷静に状況を分析する。
なぜなら、今度は、「奴」から「私」に向かってきた。

―――速いっ!

そう感じた時には、すでに「私」は飛ばされた後だった…
地面を面白いように転がる。
「奴」はそれを眺め、鼻息も荒くこちらの様子を眺めている。
体勢を持ち直し、愉悦が浮かぶ「奴」を睨む。
「私」には、もう手が無い。
睨む意外に、「私」を表す手段がない。
これほどの屈辱は、生まれてこの方、初めてだ。

内側から湧き出る感情のままに、「奴」に向かい突進する。
どうなろうが、もう知ったことではない。
ただ、一直線に「私」は「奴」に向かっていった。



「…なぁ、みっちゃん」
「なに?」
「止めたほうが、いいと思うんだ…俺は」
「ああ、俺もそう思うよ…」

目の前の、叔父の家の庭で繰り広げられる、不毛な決闘…
貰ってきた子犬は、なにが楽しいのか、自分より遥かに大きい「椿」に、
何度も何度も向かって行っては、転がされ飛ばされ遊ばれていた。



叔父の家に着き、子犬を抱えて庭にいる「椿」の元へ向かう。
一応先輩になる「椿」に、ウチの仔を覚えてもらおうと、思ったわけだ。
私達が来た事は、匂いで分っていたのだろう。
私が庭に出ると例によって、体当たりをしようと突進して来る。
子犬が怪我をしないように抱え直し、足を踏ん張りつつ腰を低く構える。

「よし、椿!ドンっと来い!!」

威勢良く声をあげ、「椿」を受け止める。
正直、痛いんだが…尻尾が千切れそうなほど喜ぶ「椿」を見ては、
我慢もしたくなる、それに、これはもう挨拶のようなものなのだから。

私の顔に蜂蜜でも塗ってあるかのごとく、「椿」は私を歓迎する。
オーケーオーケー、分った分ったっと笑いながら、「椿」を引き離す。

「椿、よく聞けよ、この仔が今日からウチに来る仔だ」

背後に効果音が聞こえる感じで、両手に子犬を抱え、「椿」の眼前に掲げる。
「椿」は鼻を鳴らしながら、丁寧に激しく匂いを嗅いでいく。
どうやら、興奮しているようだ。
子犬は、なにがなんだか分らないのか、キャンキャンと鳴いている。
もしかすると嫌なんだろうか?

「…うん、あれだ、ここは若い二人に任せて」

見合いの定番の台詞を言いつつ、庭に子犬を置き部屋に戻る。
匂いを嗅ぎ合っていた、二匹の犬はしばらくすると、ブツカリ稽古を始めてしまった。
最初は、身体の大きさにも関わらず、向かって行っては転がる子犬を、
みんなで、笑って見ていたのだが、だんだん、冒頭の決闘の様相になると、
心配になってくる、ただ主に本気になっているのは、ウチの仔だけだが…

子犬がどんなに唸っても、「椿」は面白いのか楽しいのか、尻尾をブンブンと振る。
子犬が勢い良く向かっていっても、「椿」は鼻であしらうだけ。
子犬が我慢できずに噛み付いても、「椿」は引き離し振り払うだけ。

どこをどう見ても、遊ばれているだけだった。
まぁ、怪我しないならいいのかなぁと、傍で見ているわけだが、
子犬の保護者のような気持ちの私は、少々複雑な気分だ。


結局、決着はつかないまま、今日は帰宅することになった。
決着といっても、散々にウチの仔が遊ばれただけだが。
まずは、名前だな、どうする?っと帰りの車は賑やかにウチに向かっていた。



この仔がウチに着くまで、後、30分程のことである。




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