その男は、まるで意思を感じさせない目をしていた。
黒く濁った色をした剣が相手の首筋を捉えている。
怯えた表情をした相手を気にもしていない。
表情のないその男は…
傷つき、死に怯えた相手に…
深く剣を突き刺した。
弦の月もあと三日あまり、町は新緑祭への準備で活気に溢れている。
窮屈で退屈な日々と違い、この時には誰もが開放感に喜んでいる。
祭りに合わせて注文して置いた食材と洋服を取りに向かう。
中央市場にて食材を受け取る、祭り用に少々高くなった値段も気にはならない。
ここ最近の収支は良いほうで、生活も随分と向上している。
洋服を取りに仕立て屋へと向かう、街一番と評判の店だ。
今まで利用したことはなかったけれど、今回の祭りは特別な意味を持っている。
―そう
――私は
―――殉師となるのだから。
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