HOME>スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HOME>創作「ウチの仔」

「ウチの仔」 第一章 第1話 です。

ウチの仔、第一章スタート?です。

追記に置いときます。

夕方に見るときっといいと思う。

でわでわ。






「えーと…スコップに水におやつっと…んっ…首輪首輪…
 あ~ビニール袋ね………あっ懐中電灯…」

ガサゴソと泥棒のように玄関先で散歩の道具をまとめる。
都会と違い、ウチの周辺ではまだ犬の糞の始末に躍起になる人はいない。
スコップで掘って埋めたりするのが普通だ。
しかし、他所様の家の前などに糞をした場合は、さすがにビニール袋で取り水で流す。

「瑞樹、今日は行くんだったか?」
「……ああ、行くよ…あぁ、親父殿、懐中電灯は…何処?」
「ん?ああ、こっちに置いたんだ」
「あっそ、んじゃ取って」

父から懐中電灯を受け取り、道具の準備は整った。
逃がすなよとの父からの暖かい応援を受ける。
母からは気をつけなさいねとの心配を受ける。

―そう

――今日は

―――念願の

――――公園デビュー!!



―――――― 「ウチの仔」 ――――――

――― 第一章 第一話 ――― 「名前」 ―――



三月の頭にウチにこの仔が来てから、もう一週間になる。
まだ、名前で呼んでも自分だと理解してはくれない。
考えに考えた名前だけに少しどころかだいぶ悲しくなるが、
いずれ覚えてくれるだろうと楽観視している。

散歩に行くための準備として、厚手のコートを羽織る。
春の訪れを感じさせるとはいえ、いまだにここら辺りは冬の気配が漂う。
公園にはまだ雪が残っているとの話を聞き、長靴を履く。
玄関の戸を開け外の空気に触れる。
肌に刺さるような冷たい風を感じ、こりゃ帽子もいるなと思わせる。

「母さんっ!母さんっ!」
「―――な~に~」

玄関から大声で母を呼び出す。
しばらく間を置いてから、のんびりした声で返事が聞こえてくる。

「帽子がいるよ、取ってくれよっ」
「何処にあるのっ?」
「その部屋に黒のニット帽があるだろー」

ああこれねと声が聞こえ、居間から母がニット帽を持って来てくれた。
ありがと、じゃ行ってくると声を掛け、散歩用の荷物を手に持つ。
玄関の戸を閉める途中に、気をつけなさいとの母の声が聞こえた気がした。

ウチの仔はまだ約満三ヶ月でしかない、つまりまだまだ子供だ。
こちらが何を言ってもじゃれる、はしゃぐ、あばれると大変元気だ。
私が小屋に近づくとすぐに寝ていた状態から飛び起きてくる。
何して遊ぶ?といわんばかり尻尾を振りまくり、何故か吼える…
何もしないでじっとしていると今度は唸りだす…

―――飽きない

これが感想だ、しかしそれも一週間も立てば落ち着いてくるものだ。
あくまでも私が落ち着いたのであって、ウチの仔は全く変わっていない。

「よーし、散歩行くぞー」

ウチの仔の前に腰を下ろし、首輪を付け替える。
付け替える瞬間もジタバタと暴れる、何故か噛む…地味に痛い。

「…お前なぁ…ちょっと痛いよ俺…」

噛んだ瞬間に軽く叩く、叩かれたこと自体を遊びだと勘違いしているのか、
飛び跳ねまくり、私の顔を舐めようと必死だ。

「あのね、怒られてんだよお前はっ」

語気を多少強く言ってもまるで通じない。
通じないと分っていてもつい言ってしまう。
本で読んだ程度では、犬の躾は身につかないと実感し始めていた。

首輪を付け替えた後、ウチの前の道路で一旦停止する。
左右をよく確認し、「よし」と声を掛ける。
公園は、ウチから約十分ほどの距離にある。
町で作ったそれなりに大きな公園だ。
設備も体育館、駐車場、ゲートボール用広場、広場、噴水、庭園、と幅広い。
犬の散歩用にぴったりな遊歩道もある。
川のすぐ傍にあるため、公園の外周を回るコースもいずれ試せるだろう。

「あっこんばんは~」
「あら、みっちゃんも散歩かい?」

近所のおばさんだ、当り障りの無い会話と、飼い始めたばかりの苦労を話す。
しばらく談笑した後、公園へと向かい歩き始める。
ちなみにこの仔はずっと、私の前や後ろ、右、左と休む事無く走り回っている。

「この坂を登ると公園が見えるぞ」

ウチの仔に語りかける、もちろん反応は無い。
新しい散歩コースに戸惑っているのか、嬉しいのか。

夕日に照らされた川辺をウチの仔と歩く。
影が二つ並んで私達の前を歩く。
目の前に公園が見えてきた。
影はいまだ並んだまま。
二人でゆっくりと歩いていく。
途中で会う他所の家の人と犬に挨拶をしていく。
影は離れては重なり、重なっては離れている。
そんな影ふみをしながら二人で公園へと向かっていく。

公園に着くと綱を離す。
ウチの仔は広場の中心に向かって走り出す。
私はそれを追いかけながら彼女の名を呼ぶ。


―――優


優は振り向き千切れんばかりに尻尾を振っている。
二人の影は重なりまた離れるだろう。





優しい仔になれますように。

優しい人になれますように。

ただそう願って名づけた名前。




「優(ユウ)」がウチに来て良かったと思う日曜日だった。







ちょっと追加で記述します。

今回のお話には必須のBGMがあります。

それは【影ふみのワルツ】です。

うる星やつらの映画第一作目の挿入歌です。

たしかニコ動にはあったと思います、私はアカウントが無いんで見れませんが(笑)

私が選択する曲は、大体が感傷的なものが多いです…たぶん。

実際に昔、夕方に散歩していた頃は、これが頭の中でオールリピートしてました。

そんなことを思い出したので、ここに書いておきます。



それでは、次回のウチの仔も宜しくお願いします。






前の話へメインへ次の話へ

この記事のトラックバックURL

http://mknnny.blog10.fc2.com/tb.php/43-48b01d1d

コメント

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

 

Template Designed by めもらんだむ RSS
special thanks: Sky Ruins DW99 : aqua_3cpl Customized Version】


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。