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暗い夜道を歩いている。
目を凝らしても街灯と街灯の隙間の暗さは変わらない。
なぜか選んだ革靴が、一つ一つ進むたびに音を響かせる。
遠く、道の先まで転がるように、革靴の足音だけが走っていく。

夜出かけようと思ったことには余り理由はなかった。
ただ単純に気分の問題。
無駄に決めた格好、無駄に整えた髪型には、自分の中だけの理由がある。
自分を置いていく靴音を追いかけて、ちょうど家から進み、突き当たる三叉路までの、ほんの少しの散歩。
ほんの少しの独りよがり。
締め付けるように痛むどこかを誤魔化すための。
ほんの少しの道行。

暖かくなったはずの日。けれど夜は少し肌寒い。
夜遊び中の少年たちが、笑い声と共に自転車で煙草を吸いながら通り過ぎていく。
20年以上前のかつての自分が其処に居て、20年以上も経ってからようやく過ぎて行った。

高い靴音だけが先へ先へと行く。
かすかに泡立つ肌、風が吹けば身をすくめる。
煙草を取出し、火をつけて。
陰ったままの空を見上げて、電信柱にぶつかりそうになる。

少しだけの格好もつけられないと可笑しくなってきて。
恥ずかしさを誤魔化しながら歩いていく。

やがて辿り着く三叉路にて。
高い靴音は止まってしまった。




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